2011年04月13日

君は国の息子なのだよ 『バビロンの陽光』

 公式サイトの少年の瞳を見てやってください。これだけで泣けてくる。父親を徴発されて12年間会えない息子が、祖母(父親の母)と、イラクの国中を流浪し、国中の墓場を見て歩く話。

 途中で彼の面倒を見てくれたおじさん(この人もわけあり)がいう、「いつかバビロンに戻ってこい、空中庭園を見せてやる」。おじさんは彼の父になりたかったのだろう。しかし少年はそれを拒否する。拒否して、孤児としての道を歩き出す。

 邦題が『バビロンの陽光』なのだが、原題は『Son of Babylon』で、悪い冗談というか、本当は『バビロンの息子』が正しいというかそのままでいいと思うのだが。どうして「陽光」なんてつけたんだろう。バビロンの息子は、どんな悲劇に見舞われても生きて行こうとするイラクの子どもたちすべてに向けられた呼びかけであり、それは世界中の子供に向けて、そして、私たちの中で生きようとするインナーチャイルドすべてに向けてへの敬意を込めた呼びかけだと思うのだ。

公式サイト
http://www.babylon-movie.com/
2011年初夏 銀座シネスイッチ他で公開
posted by ishizuka_tomo at 19:52| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

暴力の中で性と死を遊ぶ 『四月の涙』

 ロシアからの独立直後に起こったフィンランド内戦下で敵と味方として出会った男女の愛を描いた映画
 ……となると、単純に反戦ムード一色になるのかなー、と思ったが、どうしてどうして、先の読めない主人公たちの動き。とくにエミール判事と、彼に従う写真家(今は軍の施設として使われている精神病院に入院していた患者)が出て来てからの展開が本当に面白い。内戦という異常な状況の中で、歪んでいく性と死生観が丹念に描かれていて、堪能、同時に考えさせられた、人の幸福というものを。

 『ククーシュカ ラップランドの妖精』もそうだが、女がたくましいのだ。男なのに妊娠もできる。そういうパワーが小気味良かったです。

公式サイト http://www.alcine-terran.com/namida/
2011年5月 銀座シネパトス他で公開
 
 
posted by ishizuka_tomo at 19:36| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。